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きみにバンザイ!


卒業生へ

 

学校に行かなくなったきみは

自室にひきこもり、家族とも顔をあわさず

いじめた友人をのろい、教師をのろい

二度とこんな学校に来るもんかと

啖呵を切ってはみたものの

さみしい、くるしい、だるい

眠れない夜をすごし

不安だらけの毎日が通り過ぎていく

あれからもう2ヶ月

出歩く気力さえない

教科書もノートも机の上に置いたまま

ボクの人生はどうなるの

このままどこへいっちゃうの

ふと「死」ということばが頭をかすめる

生きていても・・・

楽しいことがくるわけでもない

孤独がこんなにつらいとは・・・

母親は理解してくれている

しかし、父親のことはわからない

祖父母は電話してきて登校をすすめる

母親以外みんな敵だ

だれも信じることができない

ボクがこんなにひとりで苦しんでるのに

社会のだれもが気づいていない

ボクは社会から忘れられた存在なのか

いてもいなくても・・・

また「死」という言葉がよぎる

 

そうキミがもがいてる最中に、僕らは出会った

それから3ヶ月、うそのようにキミは変化した

どうしたのだ、あの不安そうな顔つきと

小刻みにふるえていた指先はどこへ行った

いまは、あのときのキミではない

あのトキのキミに教えてやれ

「大丈夫だよ、心配するな」って!

未来を捨てようとしていたキミと出会えたこと

そしていま前を向いて歩き出したキミに

出会えたことを僕らはしあわせに思う

 

どうぞお元気で、このままこのまま

まっすぐ歩いてください

キミの未来は、キミだけのもの

 

2013年卒業祭に   田辺 克之