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(随想) いま一歩の希望


       


 不登校・ひきこもり・中退者の学びの場「神戸自由学院」を設立しました。しかし、

本当に望んでいることは、たとえば、多文化とことさらに言わなくても多文化があたり

まえに生活でき、男女共同参画と言わなくても、それがあたりまえのくらしができるよ

うになる日を待ち望むように、不登校も「不」がつかなくていい日が早く来ればいいな

と思います。

 自分とちがう人を排除してしまう狭い心を捨てて、自分が生きていくのに他者が必要で、

自分と同じくらいあなたが必要なんだと、みんなが理解すれば社会は変わるのではないか

と思います。震災の時、全壊したビルの瓦礫の下に取り残された少年の命を、たくさんの

大人が力をあわせて救出できたときのあの感動を忘れないで、ひとりのいのちをみんなで

守る社会を育てていきたいと思います。みんなが、あともう一歩譲って、となりにすきま

ができたら、子どもたちの今ある息苦しさがなくなるかもしれません。

 

 「すきまづくり」が課題です。地域の中に、ビルの谷間の地域ですから、子どもたちが

遊んだり、待ち合わせたりする「すきま」がどんどん消えていき、子どもの生活から余裕

がなくなり、寒々とした印象を受けます。時間も分きざみの忙しい日常に慣らされ、ロボ
ットのように毎日動かされている子どもから明るい子どもっぽさが失われてしまうように
思います。他人と話さないから他者へのおもいやりと言ってもイメージできない子どもが
育つように思います。お年寄りへのおもいやりを実践するためには、やはり普段から子
どもたちが地域のお年寄りとつながっていることが不可欠なんではないかと思います。

 そこで、神戸フリースクールとしては、学習指導も当然やりますが、子どもの教育に欠
かせない「おもいやりの心」を育てるため、子どもと地域の大人やお年寄りをつなぐ地域
活動を重点目標に展開していきたいと思います。( つづく )