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おっさん数


おっさん数

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とことん子どもにまかせてみる。 2024年04月10日 19時36分

不登校のこどもに向き合うお母さん、お父さんの態度は、30年前となにもかわりません。
子どもの力を信じることです。子どもはへんな管理や拘束によって、伸びようとする力を
減速してしまい、親に心配をかけないような行動パターンを身に着けてしまいます。よかれ
と思って、親の考えを押しつけようとしがちですが、子どもの成長に急ブレーキをかけるこ
とになります。学校に行かないと自分で決めたのなら、大いにほめてあげてください。よく
自分で決心ができたねと感心してください。それがスタートです。驚くほど子どもたちの成長
は早く、へたに干渉したり制約しなければ、自分に必要なこと、やりたいことを見つけだしま
す。川崎の「たまりば」を運営する西野さんのくちぐせは、「親のよかれは、子どもの迷惑」
です。同感です。


この母親の質問に対して、スクールソーシャルワーカーの草分け的存在であり、長野県に住む山下英三郎さんが明解な
回答を書かれています。その本は。30年前に書かれた「虹を見るために」という本で、最近読み直してみて、気づくことが多く、
いま文科省や教育委員会が、必死に不登校の急増を食い止めるため、ココロプランとか出して、多様な学びを推進しよう
としていますが、そのあたりのことをずっと以前に山下さんが指摘されていて、驚くばかりです。
その本の中の「電話相談」のページにその答えがかいてあります。
「私は、学校を休んでいる子どもたちと毎日のように接触はしていますが、学校に行かせることを第一の目的として、かかわって
いるわけではないのです。私は、子どもたちが精神的に安定することが、一番大切なことだと考えています。」と。(P。159)
2016年に成立した「教育機会確保法」とその法律の推進をすすめるために文科省がだした「指導書」に、学校だけじゃない。もはや
目先の学校復帰を第一目標にするのではなく、不登校生にとって大切なことは社会的自立であると述べています。この点で、いまや
フリースクールばやりで、うちもうちもと塾や予備校だけでなく、放課後デイでも新たにフリースクールを立ち上げて、不登校生を
呼び込もうとする動きが活発ですが、その多くは、残念なことに「学校復帰」を目標に掲げていることです。今やそんな時代ではない
と文科省が警鐘を鳴らしているのに、不登校をマーケットとしてとらえる営利企業等は、子どもたちを学校にもどそうとしているのです。
フリースクールの意味、フリースクールの価値は文科省に頼らず、カリキュラムは存在せず、子どもたちの興味と関心、好奇心を大切に
して、新しい学びを生み出していくのが本来のフリースクールのねらいです。そういう新しい学びへの探求心をもたず、これまで通りの
学習支援がフリースクールの業務と考える疑似フリースクールが乱立すれば、学校に背を向けた多様な学びを求める子どもたちを裏切る
ことになります。山下さんが30年前に指摘されていることが、いまこそ肝要なことであり、子どもたちに目を向けて、子どもたちの心が
安定することがまず大事なんだと理解した上で、子どもたちの自発的な意見を取り入れ、それをオトナもいっしょになって追及していく
ような楽しい居場所をめざしてほしいと思います。