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おっさん数


おっさん数

不登校・高校中退のご相談は、お気軽に  078-360-0016 の田辺までお願いします。



この母親の質問に対して、スクールソーシャルワーカーの草分け的存在であり、長野県に住む山下英三郎さんが明解な
回答を書かれています。その本は。30年前に書かれた「虹を見るために」という本で、最近読み直してみて、気づくことが多く、
いま文科省や教育委員会が、必死に不登校の急増を食い止めるため、ココロプランとか出して、多様な学びを推進しよう
としていますが、そのあたりのことをずっと以前に山下さんが指摘されていて、驚くばかりです。
その本の中の「電話相談」のページにその答えがかいてあります。
「私は、学校を休んでいる子どもたちと毎日のように接触はしていますが、学校に行かせることを第一の目的として、かかわって
いるわけではないのです。私は、子どもたちが精神的に安定することが、一番大切なことだと考えています。」と。(P。159)
2016年に成立した「教育機会確保法」とその法律の推進をすすめるために文科省がだした「指導書」に、学校だけじゃない。もはや
目先の学校復帰を第一目標にするのではなく、不登校生にとって大切なことは社会的自立であると述べています。この点で、いまや
フリースクールばやりで、うちもうちもと塾や予備校だけでなく、放課後デイでも新たにフリースクールを立ち上げて、不登校生を
呼び込もうとする動きが活発ですが、その多くは、残念なことに「学校復帰」を目標に掲げていることです。今やそんな時代ではない
と文科省が警鐘を鳴らしているのに、不登校をマーケットとしてとらえる営利企業等は、子どもたちを学校にもどそうとしているのです。
フリースクールの意味、フリースクールの価値は文科省に頼らず、カリキュラムは存在せず、子どもたちの興味と関心、好奇心を大切に
して、新しい学びを生み出していくのが本来のフリースクールのねらいです。そういう新しい学びへの探求心をもたず、これまで通りの
学習支援がフリースクールの業務と考える疑似フリースクールが乱立すれば、学校に背を向けた多様な学びを求める子どもたちを裏切る
ことになります。山下さんが30年前に指摘されていることが、いまこそ肝要なことであり、子どもたちに目を向けて、子どもたちの心が
安定することがまず大事なんだと理解した上で、子どもたちの自発的な意見を取り入れ、それをオトナもいっしょになって追及していく
ような楽しい居場所をめざしてほしいと思います。

出会いの数々 2023年09月27日 21時24分

フリースクールを33年もやっていると、たくさんの人に出会う。オトナも子どもも、どんどん記憶がうすれていく。しかし、ボクは忘れても、初めてフリースクールの門をたたいて、面接したときの情景を鮮明に覚えている子どもがいる。「センセ、はじめて会ったとき、・・・と語ってくれたよ。それで元気が出たんだよ。覚えてないの?」とうれしい記憶を告げてくれる生徒もいる。しかし、もし不快なことを話したり、いやな思いをしたら、入会せず去っていくので、わからずじまいということになる。言葉で傷ついた人もいるだろう。ときに攻撃的になる自分がいる。励ました言葉が、その人を責めることになったかもしれない。黙ってればいいのだけど、そうもいかない。言葉はむずかしい。子どものばあいは、よけいそうだなと感じている。